ラノベレビュー #6「ゴミ箱から失礼いたします」
| 当サイトのおすすめ度 | |||||||||
おバカで軽快なライトノベル | ||||||||||
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概要
第5回 MF文庫J ライトノベル新人賞において優秀賞を獲得。同新人賞では優秀賞の上に最優秀賞があるものの、過去に最優秀賞を受賞したのは同じ第5回の『まよチキ! 〜迷える執事とチキンな俺と〜』(あさのハジメ)のみとなっている。著者の岩波零(いわなみりょう)氏にとってこれがデビュー作となるが、2005年に第5回スーパーダッシュ小説新人賞に応募した経歴があり、その時は第4次選考まで残ったものの惜しくも受賞を逃している。
イラストの異識(いしき)氏は芳文社のまんがタイムきららにおいて『あっちこっち』という4コマを連載。単行本は現在2巻まで刊行されている。
あらすじ
小山萌太はごくごく普通の高校2年生。しかし運命のゴミ箱との出会いによって変人へとクラスチェンジを果たすことになる。
神々しく美しいそのゴミ箱に魅了された萌太は何故かゴミ箱に入るのが当然だと思い、実際に入ってみた。ゴミ箱の中は気持ちよく、不思議な満足感があった。そして出れなくなった……。そんな萌太の前に銀髪の美少女があらわれる。クラスメイトの水無氷柱だった。彼女は言った。「あなたは、妖怪ゴミ箱男なのよ!」
総評
「何故ゴミ箱……」それがこの作品を手に取って最初の、素直な感想である。そしてその疑問は読了後も払拭しきれていない。だがその感想こそがこの作品の本質であるとも言える。「妖怪ゴミ箱男」の他に「妖怪机の下女」「妖怪はっきり男」などが登場する。思いつきで適当につけた感のある設定は実にバカらしく、逆に清々しいとさえ言える。その清々しさは文章にもあらわれており非常に軽快な読了感であった。
逆に言えば最優秀賞を受賞するような「よく書けているタイプ」の作品でないのも事実。優秀賞は妥当な審査結果であると思った。
主人公の小山萌太が何故「妖怪ゴミ箱男」になってしまったのか、その理由もわりとあっさり描写されている。本作品において重要なのはストーリーではなく、萌太とヒロイン水無の間に生まれる?恋愛感情であることは明白だ。
ただ心理描写についてはそこまで緻密に描かれているわけではないため、その点についても「軽い感じ」がするのは否めない。
良くも悪くも「ライト」なノベルである。
書評とは関係ないがあとがきにおいて『僕は友達が少ない』と『えむえむっ!』の2作品のファンであるような記述があったので、個人的にこの2作品が好きな自分は好感度が少し上がったことを付け加えておこう。(笑)
項目別評価
イラストしかしながらイラストとしては若干情報量が少ない。特にモノクロイラストに関しては、4コマ漫画の1コマを引き伸ばしたような印象を受ける。通常イラストは見栄えを優先して描かれることが多いと思うが、当作品のイラストは漫画的にデフォルメされているので、単体で見た場合の弱さを感じた。
キャラクター残りの4人については描写が少ないので、主人公に対する想いなどが読み取れず浅い感じがする。続刊に期待したい。
読みやすさ
文章力
ストーリー
